お客様の声インタビュー 株式会社工苑 | 株式会社藤田電機製作所 光学機器ブランドサイト
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VOICE

お客様の声

OVERVIEW

神奈川県川崎市に本社を置く株式会社工苑 。
油圧機器向け電子装置、油圧やモータを使った装置の設計・製造を行っています。
海外のサーボ制御製品を輸入販売している「輸入製品販売」、自社オリジナルや油機メーカのカタログ製品である油圧バルブ用アンプの量産を行う「量産部門」、お客様からの依頼で1台から設計・製作する「特機部門」。そんな3つの軸を中心に「あなたのイメージを形にして動かす」制御屋さんを目指しています。

油圧や電動アクチュエータと光学製品の繋がりを業務部部長の石塚 正純さんから伺いました。

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工苑さんの会社概要を教えていただけますでしょうか。

 

当社は1946年(昭和21年)に野見山一二が「工苑社」として創業し、写真焼付機や写真用暗室用品などの写真機器を作っていました。
1973年(昭和48年)野見山紘一に代替わりし、「株式会社工苑」として電子製品・電子回路の設計をやるようになり、電子制御の会社として大きくなりました。

 

電子制御に取り組んだきっかけを教えてください。

 

1980~90年代は建設業が盛んで油圧によって機械を動かすことが増えました。その機械を電子制御できないかと非常に多くの声を頂いたんですよ。

 

ちょうどバブルの頃でしょうか。

 

おっしゃる通り、その時代にコンピューターで工作機械を動かすCNCのブームが到来した関係で米国ガリル社のモーションコントローラの輸入・販売をはじめました。その後、超音波モータやモータドライバーといった輸入品も取り扱うようになりました。

先代の社長から引き継いだ「油圧・電気・電動・モータ」のサーボ制御と輸入製品販売を上手く活用して最近は大学や研究機関、重機関係の会社さんとお取引しております。

 
 

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工苑さんの沿革を拝見させて頂いたのですが、「くす丸君」というのがとても気になりました。

 

1997年ですか、地元の商工会議所の異業種研究会で共同開発の話がありましてお互いの得意な能力を出し合って、なぜか電子くす玉を企画したんですよ(笑)アルミの丸いお椀を2つくっ付けて、中に音楽が流れる機械が取り付けてあり、赤外線センサーでぱかっと開くと音楽が流れるという。
 
これは、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」のトレンドたまごのコーナーでも紹介されましたね。直径が60cmなのですが、いざ進水式や開通式で吊るすと船や施設に対して小さいんですね。くす玉が完全に開かなかったり、屋外で赤外線が反応しないなど問題がありました。もし、今やるならケースをプラスチックにして、USBメモリを使用したら上手くいくかもしれません。
 
昔は郵便ポストの火災を消すシステムや大きい寺院で地震があったとき自動で蠟燭にフタをする装置など考えていたそうです。

 

企画力とそれを実現する開発力がすごいですね。

 

売り上げも大事ですが、やはり企画ですね。過去に難しかったことが成功へ繋がったケースはたくさんあります。
今でいうIoTを当時は電子化と呼んでいまして、様々なものを電子化できないかと模索していました。高所作業車の制御装置は当社で相当な数を作りましたがあれは油圧と電子制御を組み合わせた良い例ですね。

 
 

 

こちらを見て頂けますか。

 

これはゼンマイ式のおもちゃですか。

 

車が走って四足歩行に変形し歩いて、また車になって走ります。学校の社会科見学で子供たちが来たときには最初にこのおもちゃを見てもらいます。そうすると、みんな目を輝かせてすごいね!と驚いてくれるんですよ。
 
「自動車が四足歩行する機械を作れますか?」と言われたら、普通は「そんなの作れないよ」と答えます。「どうしてもお願いします」と頼まれたら「どうやったら自動車が四足歩行できるのか?」とアイディアを出すのが工苑さんの仕事ですよと子供たちに話しています。図面や設計図、現物があれば他社さんでも作れるけど、前段階のアイディアをだすのが私たちの役目です。

 

非常にわかりやすいご説明ですね。感銘を受けました。

 

その「わかりやすい」が大事だと思います。制御装置などは動きを見せないとお客様に伝わりません。
当社がYouTubeに動画をアップしている理由は機械の動き方を知って欲しいからです。
 
製造業界は動画に関してノウハウがばれるとか嫌がる傾向があるのですが、そこはお客様目線に立って頑張りたいです。

 
 

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藤田電機とお取引がはじまったのはアナログメーターですよね。

 

アナログメーターと組み合わせた製品があるのですが、年間結構な台数が出ています。
30年以上お付き合いのあるメーター屋さんが高齢化で廃業することになりまして、これは非常に困ったなと。そのとき紹介して頂いたのが藤田電機さんでした。

 

アナログメーターからなぜ光学製品を知っていただいたのでしょうか。

 

藤田電機さんと商談の際、「別の事業部でこのような製品あるのですが」とご紹介いただいたのがカメラ用シャッターでした。
USBの5V電源で動くのに驚いて、早速当社のFacebookにデモ動画をアップしました。

 

デモ動画を迅速にアップするのが、工苑さんが大切にしている「分かりやすさ」ですね。

 

最初に「機械の動き」を見ていただくのが大切ですから。
コロナ禍になり空港や大きなイベント会場の入り口で体温を測定していますよね。
あれは超音波モータの赤外線シャッターを使用しているものがあります。
 
“海外では爆発的に売れているのに日本はなぜ売れていないんだ”と言われていたタイミングでした。
それはなぜかというと、海外の超音波モータの赤外線シャッターは防衛産業向けの高性能なのでお値段が非常に高い。
民生用に使えるものはないかというときに、藤田電機さんのシャッターに出会い、ちょうど来月OPIE展に出展するのでブースに展示していいですか?と訊いたのがはじまりです。

 

展示会まで一か月ぐらいしかなかったのに急遽展示スペースを設けていただき、ありがとうございます。

 

OPIE展では、ご来場された新規のお客様からカスタム案件の受注や多くのお問い合わせをいただきました。
もっと時間をかけて準備すれば御社の商圏とは違うターゲットからお話が来るのではないかと思っています。特に円形のシャッターは海外にありませんからね。2022年4月に開催予定のOPIE展に期待しましょう。

 
 

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― 4腕災害ロボット ―

 

工苑さんは様々な展示会に出展されていますよね。

 

新規のお客さんを獲得することも重要ですが、既存のお客さんや各製造会社さん、海外の方と意見や情報交換できるのが出展する理由の一つです。
 
“ナノモーション社の超音波モータ”は世界で有名ですが、それを日本で購入する場合はどうしたらいいのか?工苑が取り扱っているとは誰も知りませんでした。それが展示会に参加し交流を続けていたら、「日本でナノモーション社の超音波モータを買うなら工苑」と業界の人に認知してもらえるようになりました。もっと工苑の名前を多くの方に知って頂きたいですね。

 

弊社の製品をこんな風に使えますよとお客様にアプローチできるのはアイディアに溢れそれを形にできる工苑さんのような会社だと思います。今度とも協力できれば嬉しいです。本日はありがとうございました。

 

こちらこそ、ありがとうございました。

 


 

< 会社概要 >

 

株式会社工苑 (KOENN Co.,Ltd. )

川崎市高津区久地四丁目26-41

https://www.koenn.co.jp/
 
・KOENN-Japan(株式会社工苑YouTubeチャンネル)
https://www.youtube.com/user/koennjapan

・株式会社工苑Facebook
https://www.facebook.com/koenn.japan

・株式会社工苑Instagram
https://www.instagram.com/koenn_japan

 


 

< インタビュー後記 >

 

石塚さんと話しているとウィットに富んだ方だなといつも感心しています。
それが製品の開発や企画、問題や改善における施策の考案といった「発想力」に繋がっているのでしょう。

 

既成概念にとらわれず、AI時代をクリエイティブな発想と長年培ったコミュニケーション能力で生き抜きたいと思います。

 

 
― 油圧6軸モーションベースを体験させて頂きました ―