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2023.01.31

手動アイリスと自動(オート)アイリスとは?

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・アイリスとは
 アイリスとは光の量を調節する機能で、絞りともいいます。絞り(開口)を大きく開くと光の量は大きくなり、小さくすると光の量は小さくなります。絞りの大きさを数値で表したものをF値といい、数値が大きいほど絞りが小さくなり、数値が小さいと大きくなります。代表的なF値に1、1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16などあります。例えば、F2.8→F4の場合、光の量が半分、逆にF8→F5.6の場合は2倍となります。また、F2.8→F8とした場合、光の量は、1/2×1/2×1/2=1/8倍となります。先のF値が一つ隣になると光の量が1/2または2倍となります。光の量は、絞り(開口)の面積で、F値は絞りの直径です。絞り(開口)の面積=半径×半径×3.14なので、F値XF値X3.14が光の量となります。光の量は、F値の2乗に反比例します。

・アイリスの種類
 アイリスの種類には、手動アイリスと自動(オート)アイリスがあり、撮影の用途により選択されます。手動アイリスは、絞りを手動で調整します。設置時の調整の状態のまま使用されます。光の量が変わる場所には不向きで、屋外の監視カメラで使われることは少ないです。
自動(オート)アイリスは、カメラと連動して自動で絞りを調整します。光の量の変化が多い屋外で適しています。自動(オート)アイリスは、監視カメラでは、レンズに備わった絞り機構をカメラが電気的に制御して光の量を自動調整します。自動(オート)アイリスは、絞りを制御する方式により、 DCアイリス、ビデオアイリス、 Pアイリスがあります。画質を最適化するためには、カメラはアイリスの絞りを制御する必要があります。DCアイリスとビデオアイリスは、どちらもアナログ信号を制御信号に変換して絞りの開閉を制御します。DCアイリスはこの変換をカメラ内で⾏ない、ビデオアイリスはレンズ内で⾏います。Pアイリスは、カメラ内のドライバー(ソフトウェア)でステッピングモータを制御し絞りの開閉を制御します。

・当社のアイリス
 当社のアイリスは、ガルバノ方式を用いたDCアイリスです。標準品では…
2枚羽根構成
品番:AI2-080 開口径Φ8㎜
品番:AI2-114 開口径Φ11.4㎜
6枚羽根構成
品番:AI6-300 開口径Φ30㎜
がございます。

2枚羽根構成のAI2-080とAI2-114は、作動電圧DC3.5V、シンプルな構造、レンズに差し込んでの使用が可能な構造となっております。絞り羽根は、遮光フィルムを使用しています。主な使用例は、監視カメラの光量調整に使われています。また、光距離測定器(液面/水位を測定)やプラネタリウムなどで光源の絞り(調整)として使われています。6枚羽根構成のAI6-300は、作動電圧DC5.0V、絞り羽根を金属としたことで太陽光がレンズを通して直接羽根にあたった場合などの耐熱性にも優れています。
また、絞り羽根枚数を6枚にしたことで開口がより円に近くなり、画質の向上につながります。口径の大きいレンズは、高倍率のズームレンズに採用され、主に国境監視などの用途に使われています。大学、研究機関などで実験用設備(例えば顕微鏡などの)光量の調整に採用されています。

・光条とは
 余談となりますが、絞り羽根の枚数で光条(光条とは絞り羽根が交差する部分から漏れてしまう放射状の光のこと)の数が変化します。絞り羽根が奇数枚のときは絞り羽根の枚数の倍の光条ができ、絞り羽根が偶数枚のときは絞り羽根と同じ数の光条がでます。光条は絞り羽根が互いに重なる角にできるので、円形に近いほど発生を抑えることができます。しかし、映像(画像)の用途によっては光条が必要な場合もあります。

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・カスタム仕様について
 当社では、標準仕様以外のアイリスのカスタマイズ製品も製作
・開口部が大きいもの(Φ30より大きい)または標準品以外の形状
・接続用コネクタ、ケーブルの変更(コネクタのメーカー、ケーブル長さ、色)
・製品の厚さ(薄いもの)、駆動部(モータ)が小さい(高さが低い)などの形状変更
・駆動電圧を下げたい、低消費電流の駆動、Pアイリス
・絞り羽根の材質(金属/樹脂/表面処理)の変更
・外装(ホルダー)の材質変更 標準は樹脂(黒)ですが
 アルミの艶消し処理(アルマイト)への変

などお客様のご希望に沿ったアイリスをご提案いたします。お気軽にご相談、お問い合わせいただければと思います。