OVERVIEW
東京都中央区月島に本社を置くCBC株式会社。
世界各地に30か所以上の拠点を結ぶグローバルネットワークを構築し光学機器、医農薬、化学原料、樹脂、電子材料など幅広い分野で事業を展開。商社機能とマニュファクチャリング機能を併せ持つ「開発型創造商社」として新しい価値を創出し続けています。
藤田電機製作所との関係性はどういうものなのでしょうか。
"インダストリアル オプティクス ディビジョン Industrial Optics Division"グループマネージャーの久代 尚弥さんにお話を伺いました。
御社は創業されて、そろそろ100年を迎えます。どのような歴史があるのか教えていただけますでしょうか。
1925年に初代の圡井宇太郎が「圡井宇太郎商店」として貿易業を始め、当時は化学品の輸出入を主に行っておりました。高度経済成長期の終わりが見えた頃に化学系の貿易商社業務から脱却し、きたるグローバル化に備え、モノづくりのメーカーとして様々なファンクションを取り入れようと業態を改革しました。これが会社全体の話になります。
その中でレンズ事業を他社様から譲り受けた経緯もあり1974年にCCTV監視・防犯用レンズ事業に着手し、1979年には本格的にレンズの輸出をスタートさせました。
CBCさんとは1992年に知り合い、2000年頃お取引を始めさせていただきました。私の個人的な印象としてCBCさんといえば中外貿易さんを思い出します。
1935年に圡井宇太郎商店から中外貿易株式会社と改称し、長い間看板を掲げていましたが貿易という言葉はトレーディングがメインだったので、会社の方針として今後はマニュファクチャリングも取り入れていこうと1999年に英社名の頭文字をとってCBC株式会社と社名を変更いたしました。
2021年の4月には圡井正太郎が代表取締役社長に就任し、100期に向けて様々な事業展開を実施・検討しております。
光学レンズ「computar」の自社ブランドサイト立ち上げや、羽田空港国際線第3ターミナルにサイネージ広告を掲載するなど御社のグローバルなビジネスアピールにチャレンジスピリッツを感じました。現在、久代様が担当しているお仕事内容を教えてください。
弊社は医農薬・化学原料や自動車部品用素材、樹脂・電子材料などを取り扱う総合商社です。
また、光学レンズメーカーでもございまして、自社で企画開発し北京やバングラデシュにある海外の自社工場と国内委託先で製造したレンズを国内外のお客様に提供しております。一昨年まで海外営業を担当していたのですが今はサプライチェーンマネジメント業務に就いています。
海外営業で何か印象に残っていることはありますか。
監視カメラで、世界有数のトップブランドのお客様向けに毎月安定的な数量で ※1 ICRユニット を販売していたのですが、ある年突然、弊社の発注単位を数倍超えた注文がありました。
更に大幅な納期短縮を依頼され、その監視カメラメーカー様が欧州と台湾から製造技術責任者を連れて日本へ直訴に行きたいと言われたのでこれは只事ではないと思い、すぐ藤田電機さんに相談させていただきましたね。
※1 監視カメラに内蔵されている昼夜フィルターの切替ユニット。昼間は赤外線をカットするIRカットフィルター、夜間はダミー(素ガラス)として使用する。
海外からご来社いただいて1日中打ち合わせをしましたね。
月産キャパを大きく超える数を短納期で確実に納品する必要があり、お客様の工場で検査工程の一部を担うという話も出ました。しかし、藤田電機さんが「品質の担保ができないので自社で全数検査対応した上で納期要望に満額で応える」と自ら仰っていただき、国内の製造拠点をフル活用し緊急対策を講じて頂きました。なんというか藤田電機さんの底力を間近で見せていただきましたね。昼食の時間も十分取れず、出前の丼を取って頂き、藤田電機さん、海外のお客様と一緒にかき込んだのは懐かしい思い出です。
弊社は国内に4つの製造拠点を有しており、この時は総合力を最大限に活用し、要望にお応えいたしました。これは弊社の強みのひとつだと思っております。
一番驚いたのが品質の安定性です。こういった短納期で納入数を大幅に増数するケースではどうしても不具合品が発生するのではないかと心配していたのですがそれも杞憂でした。結果、お客様の要望通りに全て納品ができまして凄く感激されていました。
まだZoomやTeamsが普及する前に毎日ヨーロッパとテレビ会議で進捗確認をしていたのが懐かしいですね。現在、レンズ市場は右肩上がりの成長が続いていると報道されています。
レンズ市場は用途が多岐に渡り需要が増えています。藤田電機さんで作成して頂いた光学製品ウェブサイトに全世界から問い合わせがあり、それがセールスリードにつながっているおかげで多角的に展開できています。
現在弊社はWebマーケティングに力を入れていこうと取り組んでおり、マーケティングオートメーションやSEO対策を通じて、顧客ターゲットを具体化させリードを獲得し、CBCさんにお話できればと考えています。
ありがとうございます。
弊社のICRユニットはどのような業種・業態に選ばれているのでしょうか。
藤田電機さんはMade in Japanをベースにした量産対応やカスタマイズが強みですので、主に監視用途ですが最近は交通監視やドローンなど多岐にわたります。
CBCさんはカートンや販促物のデザインにこだわりをお持ちだと感じています。ゴールドの箱が目立ちますね。こちらの製品は何ですか。
これは新たに上市する「レンズコネクト」シリーズと言いましてUSBケーブル経由で遠隔で倍率、フォーカス、アイリスを変えるといった新しいコンセプトの製品ですね。
どのような分野がターゲットなのでしょうか。
今はファクトリーオートメーション(FA)分野でガラスの傷や薬品などの検査装置、検査ラインに多く導入されています。アジア圏は製造業向けや欧米の新規マシンビジョン用途向けで活発に引き合いが入っており新たな需要喚起に向け期待しています。
FA分野はとても伸びています。残念ながら、FA分野に弊社の切替や絞りを使うことができないので恩恵はないのですが、監視分野とセンサー補正用シャッターの分野に注力したいと考えています。
今後、御社が目指していく方向性はありますか。
新体制になり私の部署だけではなく会社全体が盛り上がっているのを感じます。
短期的な成果も大事ですがお客様との繋がりを大切にし、長いスパンでビジネスを伸ばしていきたいですね。諸先輩が築き上げたビジネスを継続しながらも、新しいことに挑戦していこうと思います。
豊富な専門知識と経験を活かしグローバルにビジネスを展開しているCBCさんのおかげで様々なビジネスが繋がり、とても感謝しております。私は光学製品を担当するまでは英語を使うことはなかったのですが、英語でメールが書けるようになりました。英会話は今度、久代様に教えて頂きたいと思います(笑)本日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
< 会社概要 >
CBC株式会社
東京都中央区月島2-15-13
https://www.cbc.co.jp/
・Computarブランドサイト
https://www.computar-global.com/jp/
< インタビュー後記 >
CBCさんに訪問するときは「もんじゃストリート」を経由して行きます。
下町の商店街を歩いているだけで懐かしい気持ちになり、少年に戻ったようです。
あの頃の気持ちを忘れずに、CBCさんの企業理念である 「共存共栄」「Dream Together」を見習い
時代に寄り添って成長していきたいと思いました。