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2024.06.11

すぐに分かる!センサーキャリブレーション用シャッターの解説



■はじめに
近年、技術の進化とともに、各種センサーの精度に対する要求が高まっています。特に光学センサー、画像センサー、環境センサーなどがその例です。これらのセンサーの正確な動作は、シャッターによる適切なキャリブレーションによって大きく左右されます。本記事では、センサーキャリブレーション用のシャッターの解説、シャッターを使用したセンサーキャリブレーションの方法、その重要性及び具体的なプロセスについて詳しく解説します。

■シャッターとは
本記事でいうシャッターとは、光や風、物理的な侵入を防ぐために建物の窓やドアに取り付けられる、いわゆる通常思い浮かべるようなシャッターではなく、光の流れを制御するために使用される機械的な装置のことになります。カメラのシャッターが最も一般的ですが、産業用途では精密機器において光を遮断、または特定の時間で光を通過させるために使用されます。この能力は、センサーのキャリブレーションプロセスにおいて、光量を正確に管理するために非常に重要です。シャッターはカメラだけでなく、多くの光学機器や科学的測定機器においても中核的な役割を果たしています。

 シャッターの基本的な機能は、光の入力を精密に制御することになりますが、まずは光の完全遮断が主要な機能となります。電源をON/OFFすることによりシャッターを開閉させ、光がセンサーに入るのを完全に阻止し、暗闇の状態を作り出します。また、時間制御された光の露光も可能です。光を決められた時間だけセンサーに当てることで、一定量の光露光を可能にします。尚、ここでいう「光露光」とは、光学や写真分野で使われる専門用語で、光を一定時間センサーやフィルムに当てることを指します。これにより、光がセンサーまたはフィルムに作用し、画像やデータの記録を行うプロセスが進行します。露光時間が長いと、より多くの光が捉えられるため、結果として明るい画像が得られます。逆に露光時間が短いと、暗めの画像が得られます。露光は写真撮影における基本的な概念の一つであり、カメラのシャッター速度や絞り(アパーチャ)とともに、写真の明るさや深度をコントロールするために調整されます。キャリブレーションなどの工業的プロセスでも、この原理を応用して特定のセンサーの感度を調整するために用いられることがあります。

■シャッターの利用シーン
産業用途シャッターの用途は多岐にわたります。特に以下の分野での使用が一般的です。

光学測定機器: レーザー光源や光ファイバーの光を制御し、精密な測定を可能にします。
科学研究: 物理学や化学の実験で、光反応を研究する際に用いられ、反応速度や光の効果を正確に測定します。
製造業: 自動光検出システムにおいて製品の品質を保証するために使用され、製品の表面に微細な欠陥がないかを検出します。具体的な業界としては、家電、空調、半導体製造装置、計測器、スマートビルディングといった分野が挙げられます。

■センサーキャリブレーションの必要性
センサーキャリブレーションは、センサーが正確なデータを提供することを保証するプロセスです。このプロセスは、特に以下の点で重要です。

精度と再現性: センサーからのデータが一貫して正確であることを確認します。
信頼性の確保: センサーが指定された条件下で予測通りに動作することを保証します。
製品の品質保証: 最終製品の品質に直接影響するため、センサーのキャリブレーションは製品の信頼性を左右します。

■シャッターを使用したキャリブレーションプロセス
ステップ 1: 準備
シャッターの選定: 使用するシャッターがセンサーの種類に適合していることを確認します。
テスト環境の設定: キャリブレーションを実施する環境を整え、外部からの光の侵入を防ぎます。
ステップ 2: ベースラインの設定
光源の調整: 使用する光源の強度を設定し、シャッターを用いて光量を調整します。
基準値の決定: キャリブレーションで参照する基準値を決定します。
ステップ 3: 実測と調整
データの取得: シャッターを開閉し、センサーが捉える光量を記録します。
誤差の分析と調整: 測定データと基準値を比較し、誤差があればシャッターの設定を調整します。
ステップ 4: 確認とフィードバック
最終確認: すべての調整後に再度データを取得し、目標とする基準値に達しているか確認します。
継続的なモニタリング: キャリブレーション後も定期的にセンサーのパフォーマンスをチェックし、必要に応じて再キャリブレーションを行います。

■シャッターの選定基準
適切なシャッターの選定は、キャリブレーションの成功に直結します。以下の点を考慮してシャッターを選びます。
応答速度: センサーの種類や必要な精度に応じた応答速度を持つシャッターを選びます。
耐久性: 高頻度で使用する環境であれば、耐久性が高いシャッターが必要です。
光漏れの最小化: 精密な光量管理が求められるため、光漏れが少ないシャッターを選ぶことが重要です。

■まとめ
シャッターを使用したセンサーキャリブレーションは、特に光学センサーにおいてその精度と信頼性を大幅に向上させることができます。このプロセスを通じて、センサーは正確なデータを提供し、製品の品質と信頼性を保証するための重要なステップとなります。キャリブレーションは技術的な知識を要するため、専門的な知見が求められる作業ですが、適切に実施することで多くの産業分野での信頼性の高いデータ取得が可能となります。

 株式会社藤田電機製作所は、高性能キャリブレーションシャッターの設計・製造において豊富な実績を有しており、光学製品、計測器、家電、半導体製造装置といった多岐に渡る業界で実績を有しております。当社のキャリブレーションシャッターは、高速度、高精度、そして長期間の信頼性を実現するために独自の技術を用いて開発されています。まず、速度については、ミリ秒単位の応答速度を誇ります。これにより、高速で動作する現代のセンサーシステムと同期して正確なキャリブレーションが可能となり、測定誤差を大幅に削減します。精度については、精密なアパーチャ制御機構により、非常に狭い範囲で光量を調整することが可能です。最後に、耐久性と信頼性については、長年の経験によるノウハウに基づき設計・製造を行っており、長期間にわたる使用においても性能劣化が少ないのが特徴で、頻繁なメンテナンスや交換の必要が減少し、運用コストが低減します。また、当社のシャッターはお客様の具体的な要望に応じて、サイズ、速度、形状など、多岐にわたるカスタマイズが可能ですので、お気軽にお問合せ頂ければと思います。