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2024.07.25

クリーンルームの重要性と製品安全性の確保



■ クリーンルームの基本概念
クリーンルームとは、空気中の微粒子、細菌、化学蒸気などの汚染物質を厳密に制御し、清浄度を保つために設計された特殊な環境です。この環境は、主に光学機器、半導体、製薬、バイオテクノロジー、航空宇宙、食品産業など、微細な製品や高精度な作業が必要な分野で広く利用されています。

クリーンルームの清浄度は、ISO(国際標準化機構)の規格によって定義されており、ISOクラス1からISOクラス9までの範囲があります。クラスの数字が小さいほど清浄度が高く、より厳密な管理が求められます。例えば、ISOクラス1のクリーンルームは、1立方メートルの空気中に0.1ミクロン以上の粒子が10個以下であることを意味し、非常に高いレベルの清浄度を要求されます。

■ クリーンルームの設計と管理
クリーンルームの設計と運用には、以下の要素が極めて重要です。

•空気清浄システム
HEPAフィルター(高性能微粒子空気フィルター)やULPAフィルター(超高性能微粒子空気フィルター)を使用して、空気中の微粒子を徹底的に除去します。これにより、クリーンルーム内の空気は常に清浄に保たれ、製品や研究の品質を最大限に確保できます。

•気流制御
ラミナーフロー(層流)やタービュラントフロー(乱流)など、適切な気流パターンを設計することで、微粒子の拡散を防ぎます。特に層流は、一定方向に均一な速度で空気を流すことで、クリーンルーム内の汚染を最小限に抑える効果があります。

•圧力管理
クリーンルーム内の圧力を周囲の環境よりも高く保つことで、外部からの汚染物質の侵入を防ぎます。この正圧環境は、クリーンルームのドアを開けた際にも外部の空気が流入しないようにするために重要です。

■ 異物対策の基本

クリーンルームでの異物対策は、製品の品質を確保するために不可欠です。当社では以下の方法で管理を徹底しています。

•無塵衣の着用
作業者は、発塵を抑えるための無塵衣(クリーンスーツ)を着用します。無塵衣にはワンピースタイプとセパレートタイプがありますが、当社では接合部が無く汚染リスクの少ないワンピースタイプを採用しています。これにより、作業者から発生する微粒子を最大限に抑制します。

•個人衛生
手洗いや消毒を徹底し、個人的な持ち込み物は厳しく制限されます。

•部品の超音波洗浄                                        
クリーンルーム内に持ち込まれる部品は超音波洗浄後にパスボックスを経由し室内に持ち込まれます。超音波洗浄は、目に見えない微細な汚れや異物を効率的に取り除くことができます。

•定期的なメンテナンス
装置の定期点検とメンテナンスを行い、汚染物質の発生を最小限に抑えます。定期的なメンテナンスにより、装置のパフォーマンスを維持し、予期せぬ故障による汚染リスクを回避します。

•適切な材料選択
クリーンルーム内で使用する材料は、低発塵性や耐薬品性などの特性を持つものを選びます。これにより、使用する材料自体が汚染源となることを防ぎます。

•定期的な清掃
クリーンルーム内の定期的な清掃を実施し、表面や装置に付着した汚染物質を除去します。清掃の頻度や方法は、クリーンルームの使用目的や清浄度レベルに応じて設定されます。

■ 異物対策の具体例
•クリーンブースの活用
特定の作業を行う際に、さらに清浄度を高めるためのクリーンブースを利用します。これは、クリーンルーム内に設置された小型の高清浄度エリアで、特に微細な作業や製品の組み立てに有効です。クリーンブースの利用により、最も敏感な工程をより厳密な環境下で行うことができます。

•エアシャワーの使用
クリーンルームに入室する前に、作業者や材料がエアシャワーを通過することで付着した微粒子を除去します。エアシャワーは高圧の空気を噴射し、衣服や物品に付着した微粒子を効率的に除去するため、クリーンルーム内への異物の持ち込みを効果的に防ぎます。

•異物対策の効果測定
当社では、クリーンルームの清浄度を最高水準に維持するために、パーティクルカウンターを活用しています。パーティクルカウンターは、クリーンルーム内の空気中の微粒子をリアルタイムで測定し、異物混入を防ぐための重要なツールです。これにより、清浄度の変動を即座に把握し、迅速な対応が可能となります。

•表面検査
サンプリングと分析を行い、作業台や装置の表面に付着した汚染物質を確認します。これにより、見えない汚染源を特定し、クリーンルームの維持管理に役立てています。

■ 藤田電機の特徴
当社は、光学製品製造において30年以上の豊富な実績を誇っています。クリーンルームでは最新のパーティクルカウンターを使用して1日に3回、厳密なクリーン度の計測を行っています。その結果、常に300~500程度の高いクリーン度を確保しています。お客様に安心して製品をご利用いただくために、徹底したクリーン環境の管理に取り組んでいます。